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発達障がい 療育② 脳の基本構造 ~ 堺市 放課後等デイサービス みらいキッズ塾

 みらいキッズ塾代表の浦井です。

今回は発達障がいの療育をする上で重要な脳の機能について説明させていただきます。

少し長い文章ですが療育をする上で本当に大切な事なのでご一読いただければ幸いです。

 

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上の図は幅10センチ、高さ35センチの児童用の平均台です。

大人の方ならほとんどの方が歩くことができますよね。

しかし、もし高さが2メートルならどうでしょうか?

普通に歩くのは厳しいかもしれませんね。もしかしたら立つことさえできないかもしれません。

幅10センチの平均台は身体的、技能的(大脳的)にはほとんどの人が歩くことができます。しかし、高さが高くなると恐怖心(大脳辺縁系)が邪魔をして歩こうとする行動を抑制してしまいます。

もし、ロボットなら幅が同じなら、高さが低かろうが高かろうが同じパフォーマンスで歩くことができます。

このように人間の行動は大脳辺縁系によって大きな影響を受けています。

 

この大脳大脳辺縁系の関係性を支援者が理解していないといくら療育を頑張ってもチグハグになってしまいます。

 

では順をおって、療育を行う上で知っておくべき「脳の基本構造」につて説明させていただきます。

 

 

・脳は機能別に3つの層に分ける事ができます。

1つ目は一番表層部分の大きな脳、大脳です。

2つ目は大脳の下にある大脳辺縁系(海馬など)です。

3つ目は大脳辺縁系の下にある反射中枢(中脳~脊髄)です。

 

 ・それぞれの機能は以下のようになります。

大脳・・・記憶、知覚情報の分析、統合など記憶と思考の脳です。

大脳辺縁系・・・本能行動、情動、呼吸器の調整など本能的感情の脳です。

反射中枢・・・光に対する瞳孔の反射、熱さ冷たさ痛みなどに対する防御的反射、赤ちゃんの原始反射など意思に関係なく起こる身体の反応を司る中枢です。

 

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 そして、大脳と大脳辺縁系と反射中枢はお互いに連絡していて影響し合っています。特に大脳(記憶と思考の脳)と大脳辺縁系(本能的な感情の脳)は密接に影響しあっています。

たとえばテレビでマグロの特集を見たとします。マグロの情報が大脳(記憶と思考の脳)に伝わり以前食べて美味しかったマグロのお寿司を思い出したとします。美味しかった記憶が大脳辺縁系(本能的な感情の脳)に伝わり食べたいという欲求が刺激され、口内に唾液が分泌されてきます。そして食べたいという欲求が大脳(記憶と思考の脳)に伝わり「次の日曜日に家族で、中央市場のお寿司を食べに行こう」と具体的な計画を大脳で立てます。大脳→大脳辺縁系→大脳の流れですね。

次に、大脳辺縁系→大脳の流れの具体例をあげます。たとえば睡眠不足で眠たいという大脳辺縁系(本能的な感情の脳)の欲求が高まったとします。その情報が大脳に伝わり「今すぐ家で寝たいが仕事が残っているので、1時間だけ仮眠して、12時には帰宅して寝よう」などとさまざまな情報の処理が大脳(記憶と思考の脳)で行われます。

 

大脳 ⇔ 大脳辺縁系 *影響しあう

次に、脳はお互いに影響しあうのですが影響力には優位性があるという事を説明していきます。

脳は下位の脳の影響力が強い仕組みになっています。

つまり、大脳辺縁系(本能的な感情の脳)は大脳(記憶と思考の脳)より優位であり、

反射中枢は大脳辺縁系および大脳より優位であるのです。

 

たとえば、静粛な式典などで大脳では毅然とした態度でいなければならないと意識していても、突然、押しピンなどを踏んでしまった際には、身体が無条件に反応(反射)し、痛い表情(本能的な感情)を出してしまします。

また、トラウマやPTSD心的外傷後ストレス障害)のフラッシュバック(大脳の記憶分野の障害)により、大脳辺縁系(本能的な感情の脳)が恐怖感情に支配されパニックを生じると、どんなに大脳(理性・思考)で冷静に対処しようとしても一定時間は制御不可能となります。

 

ここで重要なのは、大脳辺縁系の状態により大脳が機能するか、しないかが決定されるという事です。

どんなに美味しい料理でも、大嫌いな人と一緒に食べるとその味がおいしいと感じないのも大脳辺縁系の影響が優位であるからです。

学習に関しても相性の悪い人に指導していただいても効率が良くないのも大脳辺縁系の影響です。

失敗することを異常に恐れていたり、苦手意識が非常に強い心理状態のお子さまに、学習や運動を無理強いしても全く上手くいきません。

私たちが支援をする際には最初に大脳辺縁系を良いコンディションに整え、その後で大脳分野へ適切な療育(教育)をいれていかなければなりません。

やり方を間違えるとトラウマやPTSDになったり、二次障害を引き起こす可能性があります。

 

反射中枢  > 大脳辺縁系  > 大脳 *下位脳の影響力が強い

次回は「マズローの欲求5段階説」を用いた心理の説明をさせていただきます。

 

 

 

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